昔々、遥かな昔、何十億年と昔、宇宙は何もなく、暗黒に包まれておったのじゃ。今でも暗黒に包まれておるって?そんなことはどうでもいいのじゃ、黙って話を聞きなさい。ある時、ブラフマー様は自らの力で宇宙に出現し、地・水・火・風・空の五元素を創り出したのじゃ。しかし、生き物を創り出す方法が分からず、いろいろ考えた末に水の中に一粒の種を置き、ブラフマー様自らもその中に入ったのじゃ。そしてやがてその種は、美しい輝ける卵となったのじゃ。これが「ブラフマーの卵」または「梵卵」と呼ばれるものじゃ。ブラフマーの卵は一年間じっとしておったのじゃが、ある時自らの意思で二つに分かれたのじゃ。この二つの半球が天と地になったんじゃ。そして、それらの半球の間に、空気と東西南北など8つの方角と、海が生まれたのじゃ。そして最後に卵からブラフマー様はプルシャ(原人)として再び出現したのじゃ。
プルシャは千の腿、千の足、千の腕、千の目、千の顔、千の頭を持った巨人だったんじゃ。プルシャは自らの身体を天地創造のために生贄として捧げたんじゃ。するとプルシャの口から神々とバラモン(神官)が生まれ、脇の下から四季が生まれ、目から太陽が、心から月が、腕からクシャトリヤ(戦士)が、腿からヴァイシャ(農民と商人)が、足からシュードラ(奴隷)が生まれたんじゃ。いや〜疲れたわい。よく分かったかのぉ?とにかくブラフマー様はすごいお方なのじゃよ。
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