神様ポスターについて |
ここ1週間、インドの神様のポスター画像を整頓しなおして、サーバーにアップロードしていました。6月23日現在、全部で1385枚あります。膨大な量です。自分で購入したものから、ネット上に置かれているものまで、とにかく集めまくりました。その成果をまとめたものが、Hindu Deities Poster Collectionです。今までは、それぞれの神様のページから「〜のアルバムを見る」という形で神様ごとに画像を見ることが出来るようにしていたのですが、それに加えて一覧で見ることができるようにしました。
インドの神様をけばけばしく描いた大衆宗教画の歴史は、長谷川明さんの『インド神話入門』(新潮社)に詳しく解説されています。神様を描いた絵は、彫像などと共に寺院参拝客のお土産として古くから売られていたようですが、今日インドの街角や家の中で見られるようなポスターは、ラージャー・ラヴィ・ヴァルマーという画家の絵が基になっているようです。ヴァルマーは1848年にケーララ州トリヴァンドラム近郊の町に生まれ、西洋絵画を独学で学んでインドの神話や伝説を題材とした絵を好んで描いた画家です。1894年に自分が描いた神様の絵をリトグラフで複製して売り出したところ大変な人気を博し、その後模倣者が続出して、今日「神様ポスター」として日本のインド雑貨屋でも手に入るほど一般的なものになったというわけです。当初、印刷はボンベイで行われることが多かったため、「ボンベイ・ピクチャア」とも呼ばれるそうです。
長谷川さんも言っておられるように、神様ポスターの図柄には一定の規則があります。神話や伝説に基づいた有名な場面を描いていたり、その神様に関係した持ち物や動物が必ず一緒に描かれていたりします。神様ポスターをまとめる際、それらのことに気を使って分類してみることにしました。ところが、その規則を見抜くには、当然のことながらある程度の神話の知識が不可欠となって来るし、厳密に区別できないものも出てくるので、けっこう苦労しました。最終的にはかなり自分なりの分類になってしまったように思えます。特に、ラーダーとルクミニーの区別は、ほとんど不可能に近いものがありました。森の中にいるのがラーダー、宮殿のようなところにいるのがルクミニーとして、勝手に分類してしまいました。
ところで、その1385枚の神様ポスターの内訳は、かなり興味深いものとなりました。単純に考えると、ポスターの数が多いほど、その神様は人気があるということになると思います。主な神様のポスターの数を集計したのが以下のグラフです。
シヴァ |
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パールヴァティー |
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ドゥルガー |
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カーリー |
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ガネーシャ |
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ブラフマー |
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サラスヴァティー |
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ヴィシュヌ |
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ラクシュミー |
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ラーマ |
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ハヌマーン |
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クリシュナ |
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ムルガン |
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※枚数の数え方・・・ポスターの中でその神様が中心になって描かれているものに限ってカウントした。脇役程度で登場しているものはカウントしていない。また、複数の神様が平等に登場しているものについては、重複して数えられていることもあるので注意。
見ての通り、クリシュナが独走態勢でトップです。他の神様の追随を許していません。クリシュナの人気はこんなところにも表れています。シヴァやガネーシャも順当なところで健闘しています。案外目立たないのがヴィシュヌ。一応多いことは多いのですが、やはりヴィシュヌの人気はクリシュナやラーマに負うところが大きくて、ヴィシュヌ自身を描いたポスターはライバルのシヴァに大差をつけられてしまっています。三大神の中でブラフマーはかなり寂しい結果となっていますが、これも仕方ないでしょう。ハヌマーンが主人のラーマより人気があるのは、ラーマにとって複雑な気分でしょう。
女神の中ではラクシュミーがトップ。ドゥルガーもいいところにつけています。その反面、意外にサラスヴァティーが伸び悩んでいます。もっと人気があるかと思ったのですが、あまり多くありませんでした。これは、サラスヴァティーに関する神話があまり多くなくて、図柄がワンパターンになってしまっているのが原因だと思われます。ブラフマーとサラスヴァティーを描いたポスターもほとんどありません。パールヴァティーはシヴァとの2ショットなどで票を伸ばしました。
南インドの神様の中では、ムルガンがもっとも多かったです。しかし北インドの神様に比べると、どうしても見劣りがしてしまいます。南インドに行って捜せば山のように出て来る可能性は十分あるのですが、現時点ではこのくらいです。