昔、インドラっていう神様が神々の王だったわけよ。インドラはもうどっかに行っちまったから、あんたは会ったことないだろうけど、名前ぐらいは聞いたことあるかい?ま、おかしな奴だったけどね。それに対して、マヒシャっていう悪魔がいて、こいつが悪魔の王様だったのよ。神と悪魔ってのはいつも争ってばかりいるから珍しくないんだけど、その時もインドラ神率いる神々とマヒシャ率いる悪魔軍との戦いが始まったのね。 マヒシャは激しい苦行を行って、ブラフマーに「女以外に殺せない」不死身の身体をもらっていたの。女の力をなめてたのね。そして神々はマヒシャ軍に敗れて、天界から追い出されてしまったんだ。情けない話よねぇ、全く。そこで困ったインドラ神は私の旦那のシヴァとヴィシュヌ・シティのヴィシュヌに助けを求めたの。この二人は戦いに参加してなかったのね。ま、何してたかは大体想像つくけど。二人は神々がマヒシャに敗れたことを知ると激怒して、シヴァは第三の眼から、ヴィシュヌは口から光を発したんだ。他のインドラ、ブラフマー、ヴァルナやヤマといった神々も同じように光を発して、その光が集まったところに山のような炎が生じて、私が誕生したってわけ。つまり、私は神々の怒りによって生まれたんだ。 神々は私にマヒシャを殺すための武器をくれたんだ。シヴァの三叉戟、ヴィシュヌの円盤やその他いろいろさ。私は十本の腕を持って生まれたから、その一本一本に神々の武器を持ったの。私はそれらの武器を持ち、全世界を覆い尽くすほどの光を発して、マヒシャのところに向かったの。マヒシャは全軍を率いて私に立ち向かって来たけど、そんなの雑魚雑魚。一発でひねりつぶして、マヒシャに飛びかかったのよ!
マヒシャは最初水牛の姿をして反撃してきたけど、水牛で負けそうになったら今度はライオンになって、ライオンでも負けそうになったら、人間になって、象になって、この他にもいろいろ変身して挑んで来たんだけど、所詮私の敵ではないわけよ。そこでマヒシャはまた水牛の姿に戻ったから、そろそろ決着をつけようと思ったの。もうコスプレ野郎との遊びも飽きてきたしね。そして、水牛から人間に変身する瞬間を狙って、槍で突き刺したの。グサッっとね!そしてマヒシャは死んじゃって、神々はまた、天界に住めるようになったってわけ。めでたしめでたしね。 |