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  住民の家 Shiva City




住民の家








は〜ぁ〜い。どうしたの?ここは神様の家じゃないわよ。私の家よ。今、踊ってたところ。ふぅ〜、疲れた。ちょっと一息入れようかしら。まぁ、せっかく来たんだからそこに座ってってよ。

へぇ〜、あんたそんな遠くから来たの?それならシヴァ様の前の奥さんのサティー様のこと知らないでしょ?サティー様のこと知らないと、モグリって言われるわよ、この街じゃ。私が教えてあげるわ。すっごい悲しい話だから、ハンカチなしには聞けないわよ。

 
踊る女



サティーとシヴァの結婚

サティーとシヴァの話
 昔、ダクシャという神様がいたの。ダクシャはブラフマー様の息子で、サティーという美しい娘がいたの。サティー様が年頃になると、ダクシャは自選夫式というのを開催したの。自選夫式というのは、花嫁自身が会場に集まった男性の中から夫を選ぶ儀式なの。花嫁が花輪をかけた男性が花婿になるっていう決まりなのよ。うらやましいわね、こんなことできるなんて。私もあの人に・・・ってそんな話じゃなかったわね。え〜と、ダクシャは全ての神々をサティー様の自選夫式に招いたんだけど、唯一シヴァだけは招かなかったの。なぜならダクシャはシヴァの不潔な外観や習慣を嫌っていたからなの。でも、サティー様は前々からシヴァのことを恋焦がれていたのね。なんか悲劇の予感がするでしょ?サティー様は会場にシヴァ様がいないのを知るととても悲しんで、「シヴァ様が現れますように」って祈って花輪を空中に投げたの。すると、突然そこにシヴァ様が現れて、花輪はシヴァ様の首にかかったの。ダクシャもちゃんとした儀式で選んだ夫だから認めざるをえず、こうしてシヴァ様とサティー様はめでたく結婚したのよ。

 でも、シヴァ様はそのときダクシャが自分を自選夫式に招かなかったのを恨みに思っていたの。その後、ダクシャが全ての神々を招く会合を催したのね。ダクシャが会場に入ってきたとき、全ての神様たちは立ち上がって挨拶したんだけど、ブラフマー様とシヴァ様だけはそのようにしなかったの。ブラフマー様はダクシャのお父さんだから、そんなことしなくてもいいんだけど、シヴァ様はダクシャの義理の息子になったわけでしょ?だから立ち上がって挨拶するのが普通だったの。でも、シヴァ様は前のことを根に持っていたから、わざとそうしなかったの。ダクシャは怒ってシヴァの悪口を言ってその場を出て行って、復讐を計画したの。

サティー ダクシャは今度はシヴァ様を抜きにして犠牲祭を行うことにしたの。神様たちはみんな列をなしてダクシャの家に向かったの。それを見てサティー様は不審に思って聞いてみて、犠牲祭が行われることを知ったの。でも、シヴァ様は招かれていなかったから、とても悲しんで、ダクシャの家に行ってシヴァ様も招いてくれるように嘆願したの。でも、ダクシャはサティー様の言うことに耳を貸さなかったから、サティー様は夫の名誉を守るために犠牲祭の炎の中に自分の身を投げて焼け死んでしまったの。

サティーの遺体を抱くシヴァ シヴァ様はこのことを聞いて怒り狂って、自分の髪の毛を抜いて悪魔を作り出して、ダクシャの家に攻め込んだの。シヴァ様は他の神様たちを蹴散らしてダクシャの首を切り落とし、犠牲祭を台無しにしてしまったの。でも、サティー様を失った悲しみは晴れることはなくて、シヴァ様は火の中からサティー様の遺体を取り出して抱きかかえて、世界中をムチャクチャに歩き回ったの。そのせいで世界は荒れ果ててしまって滅亡の危機を迎えたっていうから、とんでもない八つ当たりよね。このままじゃ大変だってことになって、ヴィシュヌ様が円輪(チャクラ)を投げてサティー様の身体を徐々に切り落としていって、遺体をバラバラにしていったの。シヴァ様の腕からサティー様の遺体がなくなると、シヴァ様はようやく正気に戻って、再び山の中にこもって苦行を始めたそうよ。

 その後、サティー様はパールヴァティー様に生まれ変わったっていうんだけど、ちょっと出来すぎた話よね。でも、パールヴァティー様とシヴァ様はとっても仲がいいから、そう信じた方がロマンチックなのかもしれないわね。

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