◆アルジュナの冒険 1◆
 パーンダヴァの5王子はドウラパディーを共通の妻としていたが、「もし兄弟のうち誰かがドウラパディーと一緒に過ごしているときに不意打ちしたものは、12年間追放される」という決まりを申し合わせていた。ところがある日、泥棒がバラモンの家に忍び込んで家畜を盗むという事件があった。バラモンはアルジュナに助けを求め、アルジュナはすぐに泥棒を捕らえようとしたが、不運にも武器はユディシュティラとドウラパディーが一緒にいる部屋にあった。アルジュナは兄弟間の約束とバラモンの依頼と、どちらを優先させるべきか迷ったが、結局バラモンを助けることにし、ユディシュティラとドウラパディーのいる部屋に入って武器をとり、泥棒を捕えた。そして約束に従い、アルジュナは12年間の放浪の旅に出た。

 この12年間の間、アルジュナは様々な冒険をした。ナーガの国で蛇王の娘ウルーピーと一夜を共にしたり、マニプラ国で国王チトラヴァーハナの娘チトラーンガダーと恋に落ちて3年間過ごしたり、インド各地の聖地を巡礼したり、クリシュナの都ドヴァーラカーを訪れてクリシュナの妹スバドラーに恋をしたり、火の神アグニからガーンディーヴァという強力な弓を授かったりした。そして追放の最後の年をプシュカラで過ごした後に、ユディシュティラの治めるインドラプラスタに帰った。