▲ | ◆ユディシュティラの嘘◆ |
クルクシェートラの戦いが始まる直前、ユディシュティラは武器や鎧を捨てて単身ビーシュマやドローナのもとを訪れて祝福を受けた。ドローナはユディシュティラのクシャトリヤ(武士階級)らしい行為に感動し、自らの弱点を教えてしまった。それは、「気に入らない言葉を聞いたとき、思わず手に持った武器を投げ捨ててしまう」というものだった。 戦争が14日目の夜に入り、ドローナの攻撃がますます激しくなったとき、クリシュナは恐るべき作戦をパーンドゥ軍の将軍たちに話した。それは、「ドローナの息子であるアシュヴァッターマンが死んだという嘘の情報をドローナに伝え、武器を投げ捨ててしまったドローナを殺す」というものだった。嘘をつくという行為はクシャトリヤにとって屈辱的な行為であった。誰もその汚名をかぶることはできず黙ってしまったが、ユディシュティラは自分が嘘つきになる決心をした。 「アシュヴァッターマン死す」の報がドローナのもとに届いた。ドローナは心臓が止まるほど驚き、ユディシュティラに真偽を尋ねた。ユディシュティラは嘘をつくという罪の恐ろしさに身を震わせながらも、「アシュヴァッターマンは殺されました」と答えた。ドローナは絶望し、武器を捨てて瞑想を始めた。その隙にドローナ殺害を使命として生まれたドリシュタデュムナがドローナの首をはね飛ばした。 |
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