Holy India Empire
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  マツヤともっと話す Vishnu City




マツヤ




 僕ともっと話したいだなんて、うれしいこと言ってくれるなぁ、君。こんな海底にいるから、あんまり誰も尋ねてきてくれなくてね、退屈してたんだよ。それなら、僕が活躍した話を聞いて行ってよ。それで、地上のみんなにどんどん僕のところへ来るように誘ってね。
 
大洪水からマヌを救ったマツヤ
 君はマヌって人間を知ってるかい?知ってなかったらちょっとモグリだよ。だって、マヌってのは君たち人類の祖先にあたる人物だからね。ようするに、君のひいひいひいひいひいひい・・・・・・おじいちゃんってことだよ。

 ある日、マヌは河岸で水の供養という儀式をしていたんだ。両手に水をすくったりしている内に、突然一匹の魚が入って来たんだ。何を隠そう、この魚が僕、マツヤだったんだ。マヌは水と一緒に僕を河に流そうとしたんだけど、僕は「捨てないで下さい」ってマヌに頼んだんだ。マヌはさすがに僕がヴィシュヌ様の化身だなんて気付かなかったけど、親切にも僕を容器に入れて飼ってくれることになったんだ。

 マヌは僕をよく世話してくれて、僕はどんどん大きくなっていった。マヌは僕が容器に収まりきらなくなると、次々に大きな容器に移し替えてくれたんだけど、その度に僕はさらに大きくなっていったんだ。もう僕が入る容器がなくなると、マヌは僕を海に入れたんだ。僕はこんなに大きくなるまで育ててくれたマヌに感謝して、ひとつの予言を教えてあげた。

「7日後に全世界は水没する。だからお前はあらゆる種類の動物、植物を積み込めるような大きな船を用意しなさい。そしてその船を私の角に結び付けなさい。」

 マヌは僕の言う通りに実行して、大きな船を用意したんだ。7日後、僕の予言通り洪水は起こって、全世界は水没してしまった。でも、マヌとその船に乗った生き物たちだけは助かったんだ。僕はマヌたちをヒマーラヤ山で降ろしてあげて、水がひくまでここにいるように告げて去っていったのさ。
 え、どっかで聞いたことのある話だって?そうだね、キリスト教の聖書に出てるノアの箱舟とよく似てるよね。この手の洪水伝説ってのは世界中にあるんだよ。僕の活躍は今でも世界中で有名だなんて嬉しいな。

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