お、いらっしゃい。ちょうど一服してたとこなんだよ。君もどうだい？ 　ところで君、この世界を創造したのが誰が知ってるかい？ブラフマー様だと思ってるかい？まぁ、ブラフマー様は普通、創造神って呼ばれてるから、そう思うのも無理はないけど、実はちょっと違うんだよ。本当はこの世界はヴィシュヌ様がブラフマー様に創らせたんだよ。だから、真の創造神はヴィシュヌ様ってことになるんだな。この話、もっと詳しく聞かせてあげよう。

■ヴィシュヌのヘソから生まれたブラフマー■

この世界ができる前、空間は水で覆われていたんだ。ただ、水しかなかった。他のものは全くなかったんだ。唯一、ヴィシュヌ様を除いては。ヴィシュヌ様はアナンタ竜の上に眠っていらっしゃったんだ。ヴィシュヌ様はず〜っと長い間眠り続けていらっしゃったんだ。 　すると、突然ヴィシュヌ様は「世界を創造しよう」とお思いになった。そしてその思いがヘソから外に出て、蓮となり、そこにブラフマー様が生まれたんだ。 　ブラフマー様は生まれるとすぐに四方を見渡した。このときブラフマー様に４つの顔が生じた。でも、ブラフマー様が見たものはただの水だけで、自分がどうして生まれたのか全く理解できなかった。そこでブラフマー様は蓮の茎をつたって行ったんだけど、その茎は永遠とも思えるほど長くて、根元に辿り着くことができなかったんだ。 　そこでブラフマー様は蓮の花の上に座って瞑想をしたんだ。すると自分がヴィシュヌ様のヘソから生えていることを覚って、自分の生まれてきた訳も知って、世界の創造を始めたってわけさ。だから、ヴィシュヌ様がいなかったらそもそもこの世界は生じなかったんだ。ヴィシュヌ様の偉大さが分かったかい？