お〜、よしよし、いい子だねぇ。あら、いらっしゃい。旅のお方かしら?クリシュナ様に会いに来たの?クリシュナ様は街の北東のお城に住んでおられますよ。クリシュナ様にお会いするなら、是非ルクミニー様ともお会いして下さいな。ルクミニー様はクリシュナ様の美しい奥様なのですよ。でもね、ここだけの話、クリシュナ様には多くの奥さんがいらっしゃるのよ。ルクミニー様、ジャームバヴァティー様、サティヤバーマー様、カリンディ様、その他1万6100人もの奥さんがいらっしゃるのよ。ええ、そう、1万6100人です。とんでもない数でしょう。この神聖インド帝国にはルクミニー様しかいらっしゃいませんが・・・。よかったら、クリシュナ様と1万6100人の奥さんのお話をして差し上げますよ。
■1万6100人の娘と結婚するクリシュナ■
今はあまり聞きませんけど、昔、ブーミという大地の女神様がいらっしゃいました。ブーミ様にはナラカという息子がありましたが、実はナラカは悪魔との間に出来た子供だったのです。
ナラカは成長すると強大な力をつけて、大地の全ての王を支配するまでになってしまいました。そして神々に敵対するようになり、神々の母アディティ様のイヤリングを盗んだり、神々の王インドラ様の天蓋を盗んだり、好き放題し始めました。そして1万6100人もの女性たちを捕えて捕虜としてしまったのです。
そのナラカを倒したのがクリシュナ様でした。ナラカは500の頭を持った恐ろしい悪魔ムルをクリシュナ様に立ち向かわせて来ましたが、クリシュナ様は簡単に打ち倒し、ナラカ軍を敗走させたのです。そしてナラカが奪った数々の財宝を取り戻しましたが、そのときに1万6100人の娘たちは皆クリシュナ様に恋してしまい、クリシュナ様は全員と結婚なされたのです。
クリシュナ様は1万6100人もの奥さんがいながら、全員を平等に愛することができたんですって。そしてそれぞれの方たちから10人の息子と1人の娘が生まれたそうです。約18万人の子供ができた計算になりますわね。本当にクリシュナ様は驚くべきお方ですよ。