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  ナチケータスの館 Yama City




ナチケータスの館




ナチケータス








 私はナチケータス。ヤマ様の次に死者となった者。もとはバラモンだったが、今は死者の国に留まり、こうして荒れた土地を耕している。ここは悪魔ばかりが住む地獄のようになってしまったが、昔は楽園だったのだよ。死んだ善人は皆ここで楽しく暮らしていた。しかし、地上を追われた悪魔たちがこの楽園に住み着くようになり、やがて地獄のようになってしまったのだ。他の善人たちは、新たな天国を求めて旅立ってしまったよ。私か?私はヤマ様の親友。ヤマ様と共にここで暮らすことを選んだのだ。

 ところで、君は死の秘密を知りたくないかい?私が死んだとき、ヤマ様は私に死の秘密について語ってくれたんだ。もしよかったら、受け売りだが君にも教えてあげよう。

 


死の秘密
 私が死ぬ直前、ヤマ様が私を迎えに来たんだ。そこで私はヤマ様にこう質問したんだ。

「死んだ人について疑問があります。ある人々は死後も存在すると言い、ある人々は死後は無となると言います。いったいどちらなのですか?」

 すると、ヤマ様はこう答えてくれたんだ。

「それは答えることはできない。それに答える代わりに100歳の長寿か、象や宝石か、美しい美女か、お前の好きなものを与えてやろう。」

 しかし、私はそんなものには興味はなかった。そんなものは一瞬の楽しみだろ?永遠の真理を知ることに比べたら無に等しいことだ。だから私はどうしても死の秘密を教えてくださいとヤマ様に頼んだんだ。そうしたらヤマ様も私の願いを聞き届けてくれて、死の秘密についてこう語ってくれたんだ。

「死とは、霊魂が不滅であることに関する無知が生む虚妄なのだ。お前は死んでしまったが、こうしてここに自我とともに生きている。例え肉体は滅びても、霊魂は生き残るのだ。このことを、地上で生きている人間は自覚していない。だから「死」という概念を自ら作り出し、「死」に怯え、「死」に嘆く。死から逃れるには唯一の方法しかない。それは、個我の超越によって死を克服することだ」

 私にはどう実践していいのか分からないが、死を克服することは可能らしい。もし、君がまた地上に輪廻転生することができたのなら、その道を探してみたらどうだい?

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